誰でも実践できるオーガニックライフの3つのキーワード2: パーム油-食品・化粧品類・衣類洗濯すべてに関わる環境負荷の高い生物資源

今回は誰でも実践できるオーガニックライフの3つのキーワード2: パーム油について

パーム油にフォーカスする理由があります
パーム油は食品やシャンプーなどの化粧品類、衣類洗濯用洗剤などあらゆる製品に使用されていて、私たちの生活に空気のように当たり前に存在しているからです
広く使われるのは、固形から液体まであらゆる形として存在し得るパーム油の性質もあります

植物油脂という成分表示に隠された情報と、パーム油ってそもそも何?どこでどうやって作られているの?という基本的な背景から、

なぜパーム油がいけないのか?
パーム油が使われた製品をあえて選ぶ必要があるか?
パーム油を使われていない製品を選ぶ生活の工夫(食品・化粧品類・衣類用洗濯洗剤)
をお伝えしていきます

製品の成分表示の表記に気をつけて商品を選ぶだけでもオーガニックライフの大きな一歩となることをお分かりいただけたら嬉しいです

オーガニックライフとは、自分以外の周りへの配慮をする生き方だからです

もしお家にマーガリン、チョコレート、スナック菓子、アイスクリーム、パンなどの加工食品があれば、裏面の成分表示や名称を見てみてください
植物油脂あるいは植物性油脂と書いてあるものがあるはずです

植物ってなんとなく身体に良さそうなイメージだけど、何の植物?と思いませんか?

植物油脂とは植物由来の油の総称で、
常温で固まるものを植物脂
常温で液状のものを植物油
といいます

植物油脂として表記され、使われている代表的な油脂は
なたね油、パーム油、大豆油

実はどれも危険な植物油脂!
危険というのは健康面のことだけではなく、環境への負荷が大きな生産をされているものたちでもあるのです
厄介なのは、多くの製品で植物油脂がどの油脂を使用しているかの成分表記が詳しくされていないことがあります

それを踏まえて今回はパーム油に絞ってお話をします
植物油脂が健康面で危険な理由などは世の中のブログに沢山書かれているので、ぜひ検索してみてくださいませ

では、始めましょう

キーワード2: パーム油
Q.パーム油とは?
A.アブラヤシという植物の実から採れる油のこと

原産国は中南米など赤道直下の暑い国
ちなみにヤシ油とはココナッツから採れる油のことで、同じヤシでも別物です

このパーム油、現在世界消費1位の油!
アブラヤシは通年で実をつけるため安価で安定した供給ができることが世界中で使われる理由の1つです

ならいいじゃない?、とはいかないのです

環境負荷の高い生物資源であるパーム油
パーム油の原材料となるアブラヤシを栽培するために、もともとは熱帯雨林や泥炭林だった土地を開拓してアブラヤシの植栽培地とするのです

インドネシアで2001〜2013年にパーム油生産のために森林伐採された土地の総面積は約1600万ヘクタール(Global Forest Watch)
北海道の総面積で約1.9個分
私のホーム神奈川県の総面積で約66.2個分(平沼が計算)
この10年ちょっとでこれだけの国土がアブラヤシ油農園になったのです

この農園を開拓するだけでも地球温暖化促進への影響が大きいのです
森林伐採をし、農園とするために土地の整備をするのに使われる多くの機械から温室効果ガスの1つであるCO2が排出されます
また油農園では除草剤を含む化学農薬や化学肥料が使われていることが多く、それらを広い油農園に行き届かせるための機械の使用、生産・加工・流通などの輸送によりCO2が排出されます(アブラヤシは実が木から離れてすぐに成分分解が始まるため、切り落としたらすぐに輸送して加工しなければならないのです)

さらに、泥炭林の土壌には何千年もの期間で枯れた木が湿地に堆積し泥炭化することで貯蔵された膨大な炭素が含まれています。これが開拓されることによって炭素の分解が始まり、大量のCO2を排出することになります。
インドネシアの泥炭林開発によるCO2排出量は日本のCO2総排出量をはるかに超えているとされています

また、化学肥料からは亜酸化窒素が大気中に出ます
亜酸化窒素はCO2の310倍の温室効果があるガスです

化学農薬や化学肥料の使用により土壌の生物多様性は損なわれ
森林伐採によりそこに生息していた動植物たちは排除されてしまいます

パーム油は生物由来の資源でありながら、ガソリンや石油よりも環境負荷が高い資源なのです

低賃金労働の上に成り立つ消費
インドネシアでは世界有数のパーム油生産大国として、パーム油による収益は増えているとされていますが現状はその賃金が平等に分配されてはいません
低賃金で手作業の労働を強いられる労働者が沢山いて、実際の収益を得ているのは経営者などの上層階級の人だけであったり。その上に成り立つ生産と私たちの消費なのです

パーム油の性質
パーム油に含まれる脂肪酸は
40% 飽和脂肪酸(パルチミン酸)
40% 不飽和脂肪酸(オレイン酸)

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という呼び方は最近では聞き馴染みあるかと思います
飽和脂肪酸は低い温度で溶けにくく固まりやすい脂
ラードなどは脂が固まっているのを想像していただければ分かりやすく、動物性の脂に含まれる脂肪酸です
一方で不飽和脂肪酸は低い温度で溶けやすく常温では液体で存在することが多い油
オリーブオイルなど植物性油や魚に多く含まれる脂肪酸です

この2つの脂肪酸の違いの1つは、液状で存在する温度の違いにあります
パーム油に含まれるパルミチン酸(飽和脂肪酸)の液状になる温度は63度~
オレイン酸(不飽和脂肪酸)の液状になる温度は13度~

パーム油が含有するこの2つの脂肪酸を分別して
不飽和脂肪酸を減らせば固体のパーム油(パーム・ステアリン)として
飽和脂肪酸を減らせば液体のパーム油(パーム・オレイン)として
様々なかたちで食品や製品に応用することができるのです

また、パーム油の成分にはラウリン酸があります
これはシャンプーなどの界面活性剤や歯磨き粉の発泡剤として使用されることの多い成分で、

成分表示には
ラウリル硫酸ナトリウム
ラウリルグルコシド
など、「ラウリル○○」と表示されいるので注意して見てください

とくにシャンプーなどでは「ナチュラル系」のものでも成分表示の最後の方に書かれていたりしますので、ザッとでも良いから目を通すことをオススメします
シャンプーやコンディショナーは身体に直接触れるものでもあります。人間の身体は頭からつま先まで1つのつながりあるものであり、1枚のつながった皮膚で覆われています。また髪の毛も成分としては皮膚の一部が分化したもの


頭髪も皮膚の一部であり、どこの部位の皮膚であれ界面活性剤はダメージを与えます
界面活性剤は肌をツルツルにするものであり、そう”見せる”もの
実際は必要な皮膚上の皮脂も流してしまって、皮膚の地力が損なわれます
「肌力」についてはまた別の機会に触れたいと思います

要は、体にとっても環境にとってもラウリル○○という成分は必要ないもの

しかもパーム油の使用・不使用で食品に関してはやや値段の差は出てきますが、生活用品ではそこまで多額な差が出てきません

ならば買う理由がありますか?

最近では薬局でも界面活性剤フリーという表記のあるシャンプーなどは売られていますが、そのようなものでも必ず成分表示をご覧ください

実際のところ環境負荷がゼロに近い本物のオーガニックなシャンプーは製造が難しく、本当の本当にオーガニックにするためにはシャンプーなどを使わない入浴法や洗髪法にしていく必要があることもお伝えしておきます

ナチュラル系衣類用洗濯洗剤に要注意
「ナチュラル系」の商品は本当に気をつけてください
世界的な基準として、オーガニックであるという表記が法的に確立されているのは食品のみとなります
一般的なスーパーでもナチュラル系衣類用洗濯洗剤が売られていますが、大半はパーム油が使われています
私は成分表示を見たら確実に買いません

ではオーガニックな洗濯は?
私の実践例では、ランドリーナッツ(化学農薬・化学肥料不使用、別名ソープナッツ)を使っています
ランドリーナッツはライチの仲間のムクロジの果実を乾燥させたもの(ネットで購入できます)
洗濯物量4-5kgに対して小さな綿袋にナッツを10個ほど入れて洗濯機に入れて洗濯するだけ。洗濯が終わったら袋のまま乾かして、また使います。
ナッツがバラバラになるまで10回程度は使えて、1回あたり約13円
(洗濯量に対してナッツの個数は調整してください)

多少の匂いがあるので、気になる方は精油を振り入れるのがオススメ
私は消臭・抗菌効果のあるユーカリとラベンダーのオーガニック精油を数滴たらし入れていて、それでも少しやわらぎます
それでも気になる場合は、正直、、、水だけでもかなりの洗濯効果があるのでこれはお好みになりますが自分スタイルを探してみてほしいです

衣類洗濯となると排水のことも気になるので、その面で今はランドリーナッツを使用しています

ランドリーナッツ以外の方法も模索中です!

いかがでしたでしょうか?

日本人の一人当たりのパーム油摂取量は年間平均4kgと言われています

この消費を減らす工夫は案外、簡単そうではありませんか?

ぜひ生活に楽しく取り入れてみていただけたら嬉しいです

最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀

参考文献:バイオマス本当の話