持続可能なオーガニックライフを送るための3つのポイント
サステナブルライフを送るには
今回は概念的な話です
サステイナブルなオーガニックライフを送るための考え方、工夫の仕方をお伝えしていきたいと思います
5年後も10年後も50年後も、地球と生物に配慮した生活を送れるように日々を過ごすことがキーポイント
世の中はめまぐるしく変わるし、自分の生活も刻々と変化があります
今この瞬間だけものすごく頑張ってオーガニックライフを送ったとして
それが数年後には続かなかった…これではもったいない!
ポイントを3つ
・罪悪感に苛まれない
・自分にとって心が平穏でいられる生活環境をつくる
・持ちつ持たれつでいいじゃない
これらをお伝えしていきます!
1つ目のポイント:罪悪感に苛まれない
例えば、オーガニックライフを送る上で一番取り入れやすい、食についての例として
-有機食材を買えなかった
-オーガニックデリやレストランがないからどんな食材が使われているかわからないお惣菜を買ってしまった
-環境問題のことを考えて肉食を減らさなきゃいけないのに肉を食べてしまった
これらのことはオーガニックライフを送り始め、色々知っていくと出てくる問題ではないでしょうか?
他にも沢山あると思います
農薬や化学肥料、排水による汚染、大気汚染、地球温暖化、不正賃金労働などなど製品の裏側に隠れているストーリーを知れば知るほど、身の回りで手に取れるものを購入することが怖くなることがあります
これを考えるとこれは買えない
これはこうだから買えない
真面目に真正面から社会が抱えている問題を受け止める人の中には、何かを買うこと、何かを食べることさえ怖くなる人もいるかもしれません
私もそう思うときがありました
まず肩の力を抜くためにお伝えしたいことがあります
私たちが生きるには何かを購入したり、あるいは人からもらったりして生活する必要があります(自給自足については後述)。そして日本において無農薬・無化学肥料栽培野菜や果物、有機畜産の精肉、衣類から掃除洗濯などの居住環境を整えるものまで、全てオーガニックで揃えることは容易ではありません
購入できるお店が限られているし、私たちの生活時間だって限られている
家を出てすぐそこにあるお店がオーガニック食品・製品で溢れている地域の方が少ないのが現状です
だから、
今日は帰りが遅くなってしまってオーガニックスストアに寄れないからオーガニックじゃないものを買うことになる
週末にまとめ買いもできなかったし
全然ダメじゃん自分、みたいな
そんなことを思わないでください
本当は選びたい商品や食品ではないものの方が手に入りやすい世の中なのです
だから良いのだということではなく
そういう状況になる時って大体はお仕事がみっちりだったりすることがほとんど(私は)
今日は、もしくは今週は私も頑張ったのだから、明日または来週からまた頑張ればいいじゃない?
そしてこの内容は2つ目のキーポイントにも関係してきます
少し余談で、オーガニックのことや環境問題を気にしてビーガンになる場合に気をつけてほしいことがあります
ビーガンやベジタリアンの人たちには2種類います
概念や思想からそうなった人(頭で考えてなった人)
自分の体質に合っていたからそうなった人(身体の視点から入った人)
残念ながら前者にも後者にも両方に当てはまる人ばかりではないです
前者の場合、始めはこうやって食を送ることは環境にも動物にとってもいいんだわ!と思って始めていたのに、段々と食べられるものの制約から神経質な性格になってしまったり、食の違いから人付き合いをしていくことが窮屈になってしまって、それがストレスとなり不健康な見た目になっていく人たちをよく見かけます
後者の場合、自分の身体が喜ぶものを分かっていてそういった食を送っているので肌艶もよくとてもポジティブで健康的な印象が強いです
ビーガンやベジタリアンの人は肉を食べない分、サプリメントを摂取している人もいます
また、肉から得られない栄養素は他の植物食材でその栄養素を補うという食事になります
こんな研究がありました
1970年代、βカロテン(体内ではビタミンAに変換される)が含まれる緑黄色野菜や果物を豊富に摂っていた人たちには肺がん・胃がんが少ないという報告があがり、βカロテンの摂取ががん予防になるかもしれないことが期待されました
1990年代、喫煙者およびアスベスト暴露のある人たちを対象としたランダム化比較試験が行われ、ビタミンAとβカロテンのサプリメント効果を評価しました
そうしたらどうなったでしょうか
βカロテンサプリメントの摂取は反って肺がんリスクを上げたのです*
βカロテンの健康被害はそれだけでなく、死亡率と心筋梗塞リスクを上げ**、膀胱がん発症率約50%増加***、喫煙者では肺がんと胃がんのリスクを10~20%増加させる****ことが様々な研究から報告されました
ここから言えることは、ある栄養素を摂取する場合にサプリメントではなく食材からとることが重要だということです
大事なのは成分ではなく食材そのものなのです
ある食材に豊富に○○が含まれていてこれに効果的!という謳い文句はよく聞きますが、その食材に含まれる栄養素成分はそれ以外にもあり、それらが相互に存在することで効果を発揮することも考えられます。そのため、ある食材のある栄養素を他の食材から代用しようとしても同じような効果がヒトの体内で起きるとは限らない、とも言えます
つまり、肉食をゼロにして他の植物に含まれる成分のみで補うことは身体のことを考えれば良いとは言えません
環境のことを考えて肉食をゼロにするという行為は、人間だからするものです
他の動物は草食動物でもない限りそんなことはしません
体質としてビーガンやベジタリアンの方が合っていると感じる人は迷わず続けていって良いと思います
大事なのは、必要な量を必要な時に食べること
それを感知する癖をつけることです
自分の身体を内観し、常に声を聴いてあげるようにしましょう
ただし環境のために肉食を減らす、という点については必要な観点でもあります
無くすのではありません、減らすのです
これは以前のブログでお伝えした、2017年スイス有機農業研究所(FiBL)、国際連合食糧農業機関(FAO)、欧州各国の大学の研究者らが、「有機農業でサステイナブルに世界を養う戦略」という共同研究論文に書かれたオーガニックで世界人口を養う3つの条件のうちの1つ
肉食を現行の1/3に減らす
こちらを意識してみたら良いかと思います
まずは、今現在あなたの肉を食べる頻度や量を1/3にしてみてください
毎日3食とも肉を食べていれば1日1食に(中々いないと思いますが。笑)
毎日1食は肉を食べるのであれば3日に1回にする
など、状況は人それぞれだと思いますので、自分の今のスタイルを振り返って少し変化をもたらしてみてください
肉の代わりに魚を食べるようにしてみてください
身体はとても軽くて楽になると思いますよ
ちなみに研究報告として最もヒトの身体を健康にする食事として地中海食(パレオエシック)があり、その推奨摂取頻度は
牛肉・豚肉などの赤い肉は月に数回
鶏肉など白い肉は週に数回
魚も週に数回
そしてあらゆる肉より魚の方が良い、とされています*****
これらも参考に肉を今の1/3にしてみてはかがでしょうか
これは今日何を食べたか?を意識する上でも大事な要素ですのでぜひ実践してみてほしいことの1つです
身体は健康な充実した日々を送るための基本なので、持続可能な身体を作りましょう
2つ目のポイント:自分にとって心が平穏でいられる生活環境をつくる
1つ目のキーポイントにも出てきた例を含めて現在の生活環境がオーガニックライフを送りにくくしている例を挙げてみます
今日は帰りが遅くなってしまってオーガニックスストアに寄れないからオーガニックじゃないものを買うことになる
マイボトルでお水を持参したが、勤務時間が長すぎたあるいは想像以上に暑く水分補給が必要になって、などの理由でペットボトル飲料を買うことになってしまった
などなど
これは私の経験から挙げた例です
おそらくありがち
私がこのような問題に直面したときに心底思ったことは、今の働き方も変えなくては改善するのは難しいということでした
職種を変えるつもりはないけれど、勤務形態・時間・場所など変えられることは変えて、無理なく心理的にも楽にオーガニックライフを送る生活環境にすることは可能だと考えています
早く開業したいのはそれもある・・・(笑)
私にとってオーガニックライフを送るということは生活の軸であり、ライフスタイルの重要な部分なので優先度が高いからそう思えるのもあります
今の職場なり居住環境に身を置くメリットが大きいのか?
そこでなければいけない理由は?
人生で大切にしたいものは何?
職を変えることもできるのでは?
いま、ハッピー?
どうか、これを読まれている皆さんにもオーガニックライフを送る楽しさを感じて、オーガニックライフではないとしても人生を豊かにするものは何か?を今一度考え直してみてほしいと心から思います
これもまた、何年後もその生活を続けられるか?という問いかけだけでなく
身体がダメになったら終わりだということも考えさせられます
3つ目のポイント:持ちつ持たれつでいいじゃない
オーガニックを突き詰めていくと、地産地消、自給自足という小さなコミュニティで完結していくことが望ましいというところに行き着きます
それはつまり、自分を満たして幸せにしてくれるものは案外とても小さなことだということの気づきにも繋がります
それは置いておき
地産地消はできても、みんなが完全なる自給自足をすることは難しいです
私なりの考えでは、完全自給自足生活を地球上の全員が行うことは土地の使用方法問題だけでなく、あらゆる職がなくなるので社会が排除排除の方向へ向かうと想像するため、ベターとは言えません。何より変革が大きすぎる。それよりは、ある職というのは必ず何かのためになっているのだから、それぞれの分野のプロフェッショナル同士が情報・知識・物資を共有したり交換すればいいと考えます。
私には野菜を作るノウハウも経験もないけど、鍼灸マッサージというどんな時代でも消えない技があります。だから食を自給自足できないけど、鍼灸マッサージをすることでいただく対価としてのお金を、農家さんや何か購入する先にまたその商品の対価としてのお金を渡す
こんな循環があればいいのでは、と思うのです
私個人としては、甘えを生むのではなく個々人が考えをもって行動し、自分のできることを全うすることが大前提で、
持ちつ持たれつで支え合って生きていきましょうよ
と思います
どうか、日々の生活にオーガニックという要素を上手く取り入れて
何年後も絶やさずに続けていけますように
オーガニックライフを送りやすい世の中にしていくためには
今日できなくても必ず明日やろう
周りに配慮した行動を少しずつ積み上げて重ねていくこと
その輪を広げていくこと
塵も積もれば山となる
頑張りすぎて積み上げことをストップするのはもったいないから
大きくライフスタイルを見たときにそれが周りに配慮された行動で埋め尽くされていますように
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました
出典:
*Omen GS, Goodman GE, Thornquist MD, Balmes J, Cullen MR, Glass A, Keogh JP, Meysken FL, Valanis B, Williams JH, Barhart S, Hammar S. Effect of combination og beta carotene and vitamin A on lung cancer and cardiovascular disease. N Engl J Med. 1996;334(18): 1550-1155
**Goodman GE, Thornquist MD, Balmes J, Cullen MR, Merskens FL Jr, Omen GS, Valanis B, JH Jr. The Beta-Carotene and Retinol Efficacy Trial: incidence of lung cancer and cardiovascular disease mortality during 6-year follow-up after stopping beta-carotene and retinol supplements. J Natl Cancer Inst. 2004; 96(23): 1743-1750
***Jeon YJ, Myung SK, Lee EH, Kim Y, Chang YJ, Ju W, Cho HJ, Seo HG, Huh BY. Effect of beta carotene supplements on cancer prevention: meta-analysis of randomized controlled trials. Nutr Cancer. 2011; 63(8): 1196-1207
****Druesne-Pecollo N, Latino-Martel P, Norat T, Barrandon E, Bertrais S, Galan P, Hercberg S. Beta-carotene supplementation and cancer risk: a systematic review and metaanalysis of randomized controlled trials. Int J Cancer. 2010; 127(1): 172-184
*****Oldways Preservation & Exchange Trust 1994