オーガニックライフのキーワード3: 肉食を減らそう

このテーマの元、
・地球温暖化と肉食の関係
・肉食が身体に与える影響と肉食を減らすメリット
この2つの柱を菜食主義のことや私の実例も混ぜ込みながらお伝えしていきます

そもそも地球温暖化を引き起こす温室効果ガスって何?という基本的なところにも触れて進めていきながら、何かを減らすことや無くすことが反って生活を豊かにしてくれるということもお分かりいただければ嬉しいです

まずお尋ねしたいことがあります
あなたのその食事は自分の身体の声を聴けていますか?

私が肉食を極端に減らしたきっかけは、世界中のビックデータ、メタデータと言われるもののみを取り上げたある食に関する本(*)との出会いで、試しに肉と卵を一切食べずに数か月過ごしてみたことでした
これは身体のためでした
それでもメリットの方が大きかったのです!!

のちに地球温暖化との関係を知るうちに、肉食を減らすことのメリットが増えた部分もありますが、自分の身体の声に耳を傾けて、何を欲しているのか何が今の身体状態に必要なのかを頭で考えるのではなく身体に聞くこと、これこそ私にとっての自然体だと気づけました

私が食材の買い物をするとき、お肉は基本的に買いませんが、人と会うときはフリーにしています。なぜならビーガンではないし、ルールから入る食事というのは長続きしないから

ビーガン食は好きですが、ビーガンになるつもりはないですし、私はビーガンではありません
ビーガンにならない個人的な理由としては食において何か(ルールのある)グループに属するような食事をするというのは自然体ではないように感じられるから
動物愛護の理由からビーガンになるということは個人的に納得できず…だって植物も生きているでしょう?しかもマメ科の植物からタンパク質を多く摂ることになるビーガンはどんなマメを選ぶかで反って環境負荷の大きな栽培方法のマメや野菜を食する可能性が高くなります

自分の身体が喜ぶものを食べていたら結果的にビーガンだった、というのはとても良いことだと思います


食事法の何か1つで全てを網羅することは難しく、食という分野で広く網羅できるとしたらそれは、オーガニックである、ということではないでしょうか?

何も、肉食をゼロにするなど過激なことを言うつもりはありません
ただ、人間の社会生活や食生活の変様が地球温暖化のリズムを約10万年早めているというのは見逃せない事実であり、それと肉食は深い関係があります

では、地球温暖化と肉食の関係から見ていきましょう

地球温暖化と肉食の関係
まず、地球温暖化って?
地球の大気中には温室効果ガスと言われるものがあります
二酸化炭素、、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなど
これらは太陽からの熱を地球上にとどめておく働きがあり、地球上の温度を生物が過ごしやすい程度の温暖な状態にしておくのに必要なガス
しかしそれが増えすぎてしまうと太陽からの熱をとどめる力が強すぎて、地球上の温度は上昇する一方となります
温室効果ガス排出量全体の9割以上を占めるのは二酸化炭素とメタンガスです
これが環境問題とされる地球温暖化現象のざっくりとした内容です

農業から排出される温室効果ガスは、世界で排出される温室効果ガスの1/4超を占めています
農業の分類は世界的な決まりがなく、地域や団体によって変わりますがここでは栽培するもの別にみたときに2つあると捉えてください
耕種農業:野菜・果物・米・綿花など植物を育てる農業
畜産農業:牛・豚・鶏などの動物を育てる農業
農業には、生産だけでなく種苗の調達元での作業工程や運搬・流通など全てのプロセスが含まれたものであり、耕種・畜産農業にそれぞれにおいてそういったプロセスが含まれた広義的な意味合いが多いです

今回は肉食についてお話をするので、農業の中の畜産農業と地球温暖化の関係についてだと考えてください

世界で排出される温室効果ガスの1/4超を占める農業から排出される温室効果ガス(以下:農業温室効果ガス)のうち
最大排出は動物(家畜)の腸内発酵、つまり動物が食べたものを消化して出るゲップを通して放たれるメタンガスは農業温室効果ガス中の39%を占めています(2011年)

これを人為的に排出される温室効果ガス中の割合でみると、
14%を占めます

ちなみにメタンガスは二酸化炭素の20倍の温室効果があるガスです

農業の他の分野と比較してみましょう
合成肥料を使用して放出される温室効果ガス排出量は、農業温室効果ガス中の14%で増加量が最大となっています(2011年)
水田での生物学的プロセスの結果生じるメタンガスは農業温室効果ガスの10%
これだけでも畜産農業で排出される農業温室効果ガスの割合の高さが見えますね

2011年の農業関連での温室効果ガス排出量の割合を世界の地域別で見てみましょう
45% アジア
25% アメリカ
11% ヨーロッパ
4%  オセアニア

1990年ではアジアは今よりも排出量は低く、ヨーロッパがはるかに高かったのですが今や大逆転の数字となっています
これはドイツ、デンマーク、スウェーデンは食肉税を検討するなどヨーロッパ全体として農業温室効果ガスの排出を低減させる取り組みがなされている効果が出ていると考えられます

また、牛は鶏や豚に比べて、排出する温室効果ガスが6倍以上と言われています
(FAOデータ)

肉食を減らすなら、まずは牛から!
というのもお手軽かもしれませんね
一番高価なお肉ですし焼肉やステーキハウスなどにあえて足を運ばなければ無くしていけそうな肉です

肉食が身体に与える影響と肉食を減らすメリット
まずはデータを見てみましょう
今回は肉に関してをメインにし、加工肉(ハム・ソーセージなど)は少々触れる程度に
加工肉が身体によくないというのは基本的な部分ですが、肉をやめることより加工肉の摂取を控えることや無くしていくことは日本では非常に簡単だと思いますので今回は短縮させていただきます

肉の分類は
牛・豚・羊・馬:赤い肉
鶏:白い肉
とします(地中海式食事の分類としてもマクロビでも同じように考えます)

赤い肉の摂取量が増えると大腸がん(結腸がん・直腸がん)のリスクが高くなる傾向があります(国立がんセンター*)
これは日本の広い地域に住む人を対象とし、45~74歳の約8万人を8~11年追跡した研究です
赤い肉の摂取量に応じて5つのグループに分けた結果
女性は1番多いグループは1番少ないグループと比べて結腸がんリスクが48%増加
男性は統計的有意差はないが結腸がんリスクの増加傾向

また、赤い肉の摂取量が1日あたり100~120g増えると脳卒中リスクは11%増加(5つの論文をまとめたメタ分析ですが、日本人におけるエビデンスは不十分*)

ちなみに加工肉の摂取量が増えると、全死亡率、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化による死亡率、がんによる死亡率がいずれも上昇することは、世界中の論文でデータとして出されており、9つの論文をまとめたメタ分析からも明らかとされています(*)

まとめると、
赤い肉摂取量↑:大腸がんリスク(とくに結腸がんリスク)↑
加工肉摂取量↑:全死亡率と脳卒中、心筋梗塞、がん、全ての死亡率↑

代わりに何を食べれば良いか?
鶏肉(白い肉)はbetter
魚がbest

ちなみに、卵についてのデータをほんの少し紹介(*)
卵は1日に1個以上食べると、2型糖尿病(後天性の糖尿病)の発症リスクが42%上がります
1日に2個以上食べると心不全のリスクが62%も上がります
これは1日に食べる個数だけを言っているのではなく、これを継続的に頻度を持って食べた場合のこと
食べるならば1週間に6個まで、これが身体的に考えると病気リスクを下げます

ここにあげたデータは全て1つの本に集約された論文たちがベースになっています
さっそく私は摂取するタンパク質を肉なし、卵なし、魚と豆類だけからという生活にしてみました
元々、肉の中で一番好きなのは鶏(ムネかササミ)
完全栄養食の卵は、一人暮らしの救世主としてよく食べていました
データ上では身体的には何の問題もないのですが、それではつまらないので一切肉と卵を口にしない(たまにある人との会食を除く)で過ごしてみようと思い、図らずもベジタリアンの一種をスタート(笑)

魚や納豆など豆類はしっかり食べるようにして数か月・・・

そしたらどうでしょう

ヘロヘロになりました(笑)

といのも、鍼灸マッサージ師という職業は割と肉体労働でして。苦笑
しかも私の働き方はおそらく世間一般の人以上の仕事の詰め込み方をしているのか、家族には呆れられるほど。苦笑
唯一の休みの日も勉強会やセミナーに出かけることがほとんど、朝はのんびりの日もありますが帰りはだいたい22時を過ぎるのは当たり前、23時を過ぎることはザラでお昼は食べないというようなことはよくあります
(たぶん鍼灸マッサージ師あるあるなのだけどなぁ。笑)

しかもこの食事内容を切り替えた時期がまた猛烈に忙しい頃で
3か月を過ぎる頃からヘロヘロし始め
もう少し経ってから久しぶりに卵が食べたい!と身体からの欲求が聴こえてきまして
TKGにして食べてみたら・・・

・・・!

なんてパワーの出る食材なんだ!!!
と、卵が完全栄養食と言われる理由を身体で感じました

こりゃ、これを日常的に食べたら栄養過多になって、東洋医学的に言う「実」の状態に傾くのは当たり前だと納得

まだ肉を買わない生活は継続していたある日、血の滴るような肉が食べたい!牛肉!!という身体の声がまた聴こえてきまして
オージービーフのステーキ用をどーーんと焼いて食べたら・・・

・・・!

すごい、身体がスポンジのように全部の栄養を吸っているような感覚!
血まで美味しい!笑

卵も肉も大げさに言っているのではなく、本当にそう感じたのです

数か月の完全に肉と卵なしの生活をしてみて分かったことは
これらは身体が欲したときに食べれば良いもの
そして、日常でも身体が何を欲しているのか常に感じながら食を選ぶということの大切さです

私は今も、自宅で1人で肉や卵を買って食べることはほぼゼロ
身体が欲したとき(ほとんどない笑)と人と食事するときのみ
何の支障もなく仕事もプライベートも過ごせています

肉より魚の方が少々コストがかかるようなと思われますが、時期に見合った魚を選んだりそれこそ食材売り場の割引対象のものをまとめ買いして調理で工夫したり、やりようは色々あります!魚にしたからと言って食費が上がったということはありません

ただ、魚を選ぶときに気をつけてほしいのは産地と生息の仕方(天然・養殖)
例えばチリ産養殖の鮭は要注意、など細かいことになるのでこれもまた別の機会に(汗)
分かりやすい見分け方ですと、MSC認証ラベルがあるかどうか
これは日本のスーパーではかなり見かけないマークなのですが、養殖ものを避けて買われる方は多い中でこの認証にまで目が言っている人は少ないはず
このMSC認証とは持続可能なシーフードのために天然ものを自然の生態系を壊さない程度の数しか漁をしないことが保証されているシーフードにつけられるマークです
ASC認証というのもあり、それは養殖のシーフードへの認証マークです
これらも認証を取らなければいけないので、このマークがあるから良くて他がダメということではありませんので、あくまで情報としてさらに調べてみてください(ネットですぐに出てきます)

話は肉に戻り、肉などを(あえて)食べるタイミングも私にはありまして
それは女性特有の身体リズムにも関係するお話・・・また別の機会に触れられたらと思います

私個人としては、病気になりたくなくてそのために肉を減らしたのではなく

肉を減らしてみたら身体の調子は良くなり、スッキリしました

しかも地球温暖化緩和につながる

現代の食に困らない環境で生きている人たちは、今一度自分と向き合ってみていただきたいのです

その1つの手段として肉食を減らす
チャレンジとして肉食を無くす

これはとてつもなく有意義な発見を与えてくれます

人間は脳みそが発達しすぎて、身体が発信している本音を脳みそが打ち消すことが多々あります

せっかく動物として生まれてきたのだから身体の声を聴かなくちゃ、もったいない

何かを無くしていくこと、削いでいくことは
新しい何か豊かなものに気づかせてくれます

私にとってその大きなものは肉食を減らすことでした

最後に私の好きな言葉をご紹介します
Less is more
(by ドイツ出身の建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ氏)

あなたを豊かにしてくれるものは何ですか?

最後までお読みくださり、ありがとうございました

*参考図書:津川友介著「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」