リンパ浮腫との出会い

先日とある方に会い、こんな話を聞きました。
「リンパ浮腫に出会って世界が広がったと思っている」
リンパ浮腫を発症するとき、がんと宣告を受けて
治療方針が決まり、手術をする場合に説明を受けます。
その時にリンパ節切除・リンパ郭清についての説明も
されます。
リンパ節切除・リンパ郭清をすることは、リンパ浮腫に
なるリスクが上がります。これは、リンパ節というリン
パ管の中継地点のような大きなターミナル駅にあたるよ
うな重要な器官がなくなってしまうことで、リンパ液の
行き先が減りOR無くなり、リンパ液の渋滞が起きてし
まうことで発症します。
しかし、そのリスクに関しての説明はあったとしても、
リンパ浮腫を発症するとどうなるのか、どのようなケア
をするのか、又はどのような専門機関があるのか、など
についての説明というのは、あまり得られない病院が多
いことがある印象です。
私がお会いした方も、職業柄リンパ浮腫についての言葉
くらいは聞いたことはあっても、いざリンパ浮腫を発症
してみたら、どうしたらいいのか病院では全然教えても
らえず、リンパ浮腫ケア難民となっていたようです。
(リンパ浮腫に関する情報の有無は病院施設によります)
探しに探して、LVA(リンパ管静脈管吻合術)やリンパド
レナージというものを知り、リンパ浮腫仲間との繋がり
も持ち、この症状についての学びを深められていくうち
に、こう思ったようです。
リンパ浮腫にならなかったら、新しい仲間とも出会わ
なかったし、こうやってケアすることも知らなかった。
「新しい世界を知れて、世界が広がったのよ~」
と。
このようなマインドの方はあまり見かけなかったので、
とても嬉しくなりました。
私の専門である保存療法と運動療法についてお伝えすると
ケア方法に広がりが持て、日常ケアで仕事ができる喜びが
復活、さらに今後の治療方針についても落ち着いて考えら
れたようで、私としてはセラピストの役目は果たせたかな
と思います。
精一杯、人生を楽しんでほしいな♪
セラピストとしては幸せなエピソードの1つでした。