先日、お客様とこんなテーマから色々な話をしていました。

-老後にサ高住(サービス付き高齢者住宅)に入るタイミングはいつがいいか?-

お客様の話では、まだ身体が元気なうちにそんなに遅くもなく入り始めた方がいいというご意見でした。とくに未亡人であったり、お独り身になられた方は、早めの方がいいのではないか?と。

サ高住のようなところに住まわれると、部屋には自分一人でも、他人と顔を合わせる時は少なからずあり、挨拶をしたり、何気ない話をしたりすることもあります。お食事を一緒の空間でとることがあれば、孤食でなくなることもあります。
「雑談」があるというのが、この話のポイント。

サ高住に住む場合、周りの人は基本的には赤の他人であり、友人になるわけでも家族であるわけでもありません。関係性としては、ただ同じ空間に居住しているだけの、とても希薄なもの。だけれど、関係性はどうであれ、人と関わり合い、会話をし、コミュニケーションをするというのは、ヒトの健康状態や認知機能に影響を与える部分があります。

以前、YouTubeでも似たトピックの動画をみたことがあります。
イエール大学アシスタント・プロフェッサーの成田悠輔氏の番組「夜明け前のPLAYERS」で、タレントMEGUMIさんと対談する回で、成田さんがアメリカにいる時に一週間の間に一度も家から出ることもなく誰とも顔を合せなかった経験があると語りだしたのですが、そうするとどうなったか?口が動かなくなり、呂律が回らなくなるだけでなく、全身がこわばり、手が痺れてくるような感覚さえあった、というのです。
これには、私も「そうだろうなぁ」と、一応は医療従事者の端くれとして聞き入ってしまいました。

人は、家族も含めた「他人」と関わることで人足り得るのだと、改めて感じるエピソード。

話は、お客様の話題に戻りまして、その方のお知り合いや周囲からの情報によると、なんとなくではあるものの、そのように人と関わる環境に居る人の方が長生きであったり健康的な状態が長く保たれるような感覚がある、というのです。

話は少し広がりますが、私が介護度のある方への自宅訪問リハビリマッサージをしていた頃のこと。認知症のある患者さん宅へ行くことも多々ありました。軽度から重度まで様々でしたが、その方の居る環境や周囲にいる人たちの”空気感”により、ご本人の心身状態の安定に変化があるような印象を全体を通して感じられました。例えば、殺伐とした雰囲気の中にいれば、ご本人も気が立ちやすかったり、攻撃的になりやすかったり。その逆も然り。

このように、ヒトは他人と関わらな過ぎても心身の状態が良くない方向へいくし、関わっていても良くない環境に身を置けば状態が安定しないという方向にも向かう。つまりは、他人と関わりを持ちながらも、良好な環境に身を置くということが、心身の健康を安定的にするのではないか、と私はお客様とお話をしていて改めて思ったのです。

話はだいぶ飛躍したような気もしますが。

今は晩婚化が進んだり、核家族や子をもたない夫婦がいたり、独身のまま暮らす人も増えてきました。
ライフスタイルの多様性が進んでいる中、老後にどのような環境があるといいと思いますか?

また、そのために今から取り組めることって何だと思いますか?

よろしければ、コメントやメールなどでご意見お寄せいただけましたら嬉しいです。
もしかしたら、INDIGO FLUX HUBの取り組みへのヒントをいただくことになるかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。