私が「オーガニック」に出会ったときの話をしてみよう

これは、臨床現場に出た最初に勤めた先の1つで女性がんサバイバーたちに出会ったところから始まります

乳がん術後や婦人科がん術後の術後リンパ浮腫のお悩みの方、抗がん剤による薬剤性浮腫でお悩みの方、それらに加えて他の箇所にも不調がある女性たちと日々接する中で得た不思議

これからの日本はどうなっていくのだろう?

漠然とした問と少しの不安、強い興味が湧いたのです

大学を卒業して、鍼灸マッサージ師の国家資格を取るために専門学校へ通っていた頃
当時、私自身は右手首を怪我していてリハビリと簡易的な手術をしていました
その頃に”セラピスト”や”トレーナー”という人たちに出会うことになります

実際には大学在学中にそのような人たちとは接していましたし
私も部活でお世話になったり、在学中はNSCA CPTの資格も取得していました(現在、資格は取消しています)

私自身がそれなりに「しっかりとした怪我」を負ったことで、マイナスになった心身を回復するためにプロのお力を借りたのがその頃で、私のセラピストとしての原点はその頃に出会ってきたプロフェッショナルたちと一緒につくられたものでもあったかもしれません

私の医療リンパドレナージとの出会いは、「たまたま」でした
知人の紹介で働いていた鍼灸接骨院の院長の紹介で知った女性専門治療院へ勤務を申し出たことが始まりでした
通っていた専門学校ではリンパドレナージのリの字も出てこないくらいに、浮腫みケアとは無縁だった私。東洋医学的に言う津液の巡り以外に”リンパ”というものを深く学んだことも、見たことも、理解してみたこともない世界に飛び込んでみたのです

そしたら、それにハマったのですね

医療においてハマるとは聞き障りがあるかもしれませんが
リンパ、むくみ、という実態が捉えにくいけれども、私たちヒトの心身と深く関わっていることが肌で感じられる対象に興味がどんどん湧きました

また、むくみのお悩みで来られているお客様だとしても
リンパドレナージだけをするのかというとそんなことはなくて
私の勤め先は施術方針については担当セラピストに委ねられていましたので、自由に組み立て提案させていただいていました

むくみのような腫れがある場合
その硬さの原因を振り分けていく必要があります
むくみ由来の硬さにも、水なの?リンパ液なの?という違いがありますし
患部(リンパ浮腫)の膨らみにも、筋緊張や筋筋膜組織間の滑走性の問題かもしれません
硬い部位も、純粋にその部位の組織硬さなのか?他の部位との関係があるのか?も考慮する必要があります

患部を良くする、ということにおいてはそのようなことから取り組んで提案していくのですが
お客様のお悩みってそれだけじゃないんですよね
心の内にある行き場のない想いの落としどころを探ることも求められていたりします

施術をしながらお話もして、時にはお悩み相談にも乗りながら進めていくのですが

そのように身体と心の世界観を行き来して、実生活と照らし合わせながら
お話の全貌を脳内で想像してみる

そんなことを繰り返していたら生まれた漠然とした疑問
「なぜ、癌になるのだろう?」

これは、病気リスクなどの科学的根拠の話をしたいのではなくて
単純な疑問でした

そして、更に生まれた問
「これから日本の”健康”はどうなっていくのだろう?」

まず1つ目の疑問に対して、自分なりの調査から仮説を立て考察を始めました
病にかかるときというのは、心身に何かしらの原因が潜んでいます
身体にも心にも何かが起きていたはずだ、という漠然とした仮説から

身体組織をつくる基本は食事であるので
これまで大学在学中からも色々試していた食事療法についてもう一度調べてみた
今現在、世界的に最も病気になりにくい食事は地中海食と言われています(日本食と似ています)

摂った栄養を流すのはどこか?
血管だ。血液に何かあるのか?とも調べてみた
残念ながらこれは、どこから手をつけるのか分からないほど広い分野のため詳細なリサーチはやめたのですが、少なくとも栄養状態により身体だけでなく心の問題も生まれる「分子栄養学-オーソモレキュラー-」というものに出会った

がん細胞がどのように生まれるのか?も調べてみた
この説は年々研究が進んでいるようですね
私たちの身体はすべて細胞からできているのですが、がん細胞は私たちの身体から生まれているのにも関わらず異なる性質を持っている異端児
以前とあるスキー場のリフト乗り場で私の前にいた親子がこんな会話をしていました
子ども:「”がん”はどうして生まれるの?」
お父さん:「コピーミスだよ」
このお父様は医療関係者だったのかもしれません。このような回答を小学生くらいの子どもにサラッと答えてあげることができたのですから(本当に考え込むこともなく秒速で答えていました)。あるいは、ご家族にがんサバイバーがいたことがあって、学ばれたのかもしれませんね

これらのことを(ブログに書いているより詳細に調べましたが情報量がありすぎるので割愛します笑)、多方面から考えてみて

やはり、食事は心身をつくる基本になるので、今一度そこに戻ってみた
食事療法については、大学在学中から興味があり様々に試してみたことがありました
地中海食、ケトジェニック、菜食主義、低糖質/糖質オフ、マクロビオティックなどなど
これらを試したことがある上で「素材そのもの」に何かがあると考えたのです

なぜなら、食事療法というのは結局は何かの視点や信念に偏るものが多く、東洋医学的に考えると体質により食材の得意・不得意があると捉えるから

素材そのもの、って何だろう?というのが次なる疑問
”いい”素材って何だろう?
そこで「オーガニック」に行き着いたのです

今考えると、そこまで調べたり考えたりしないとオーガニックに行き着かない日本の食事情に大きな問題があることがよく分かります
何となく頭の片隅にはあっても東京や神奈川で暮らす私の日常生活ではマイノリティーになりがち

オーガニックは基本であり土台
ファッションでも、特別なことでも、神経質なのでもなく、原点そのものだから

”いい”というのは、高級とか薬効があるとかそのようなことではなくて
素材そのもの、ピュアである、という点を”いい”ものと捉えるとオーガニックになると思うのです

ここまで長々と考察のようなものを話してきましたが、
がん術後や治療後に、ご自身の心身をもっと大切にしてあげようという意識づけになる方は多い印象があります
それこそが、少し皮肉的になるのかもしれませんがキャンサーギフトの1つとも言えそうですよね
そのような意識になった人がオーガニックに目を向けることも多いでしょう

オーガニックの本質は、病気を治すことでも、何かを改善するのでもなくて
私たちヒトの身体が本来持つ治癒力の強さを思い出させ、より強く働かせることにあるのではないでしょうか

オーガニックな食事をしているから、健康になる
これは行間がだいぶ端折られてしまっています
オーガニックな食事をして、そういった食事をとれるような生活管理や健康意識があって、”自分”に時間も労力も注ぐことをするようになって、それらの環の広がりと柔軟さが健康を強くしてくれている

オーガニックライフがもたらすものは、きっとこんなことではないかな?

もっと、ゆったり、たっぷり、”今”に浸ること
”今”を大切に過ごすのを積み重ねること

そういった生活に目覚める人は、強く、瑞々しく、美しい

最後までお読みいただきありがとうございました