リンパ浮腫ケアで運動?浮腫の硬さ、骨格の安全、リンパ循環
BLUE ORGANIC SPACEは、当初は女性がん術後リンパ浮腫を抱える女性へ安心安全な運動の場を提供するサービスとして始まりました
今でもその想いは根幹にあり、行き場のなくなったリンパ浮腫患者さんたちの居場所であることは、BLUE ORGANIC SPACEの存在意義の1つでもあります
リンパ浮腫ケアにおいて、運動をするということはリンパ管の基礎研究からも効果が期待できることは言えますが、リンパ液の排出と回収のバランスを管理することも現場レベルでは必要なことですので、段階を追った運動レベル設定が大切にもなってきます
リンパ管機能が標準の人の場合、運動をして「筋肉痛になっちゃったよ~」「ちょっと張っちゃってね」という反応は好転反応といって”いい反応”と捉えられるのですが
リンパ管機能が著しく低下しているリンパ浮腫のある方の場合、筋肉の張り感による一時的な循環不良のような状態はリンパ液のうっ滞を促進させやすいため、運動後のリンパ液の排出状況と回収ケアをセットで管理していくことは、とても重要になってきます
筋肉が成長するには、ある程度の筋肉痛を伴うような筋線維へのダメージは必要ですが
筋線維を太くする前にできることが沢山あります
また、トレーニングというのは筋線維を太くすることだけではありません
むしろ、機能を上げていく、筋線維にスイッチ入れる神経へ信号を送ること
(筋肉のやる気スイッチをオンにするということ!)
これらのことが、最優先
それだけでも、「あれ?筋力ついた?」
というくらいに動作が改善されたり、パワーがついたような感覚を得られると思います
(実際に、持ち上げられるものの重さが上がることもあります)
私自身は、趣味としてボクシングやキックボクシングの練習をしており
並行してファンクショナルトレーニングを行っています
いわゆる筋トレ、のようなこともしますが、
ファンクショナルトレーニングは重い重量を上げる練習ではなく
今ある身体、動きをより良くするためのスイッチをオン!にしてあげるトレーニングです
スイッチをオン!にするための感覚刺激として、重りや道具を使用することはあります
また、スイッチがオン!になったら負荷を上げていっても良いでしょうね
話は、リンパ浮腫への運動に戻ります
BLUE ORGANIC SPACEの行うリンパ浮腫を抱える方への運動やリンパ浮腫は発症していない術後の方への運動では、ヨガも用いたファンクショナルトレーニングをメインに組み立てています
筋肉の収縮パターンは3つあります
①コンセントリック収縮(筋線維が縮む方向への動き)
②エキセントリック収縮(筋線維が本来の動作方向とは逆方向に伸ばされながら収縮する動き)
③アイソメトリック収縮(筋線維の長さが保たれながら収縮する動き)
リンパ浮腫のある方への運動は、
①→③→②の順で進めることを基本としています
(BLUE ORGANIC SPACEの提案する方法です)
①コンセントリック収縮では、まず関節可動域の確保と筋線維への収縮刺激を入れることで、安全を確保していくことに繋がります。術後のお身体や機能低下しているお身体へのリハビリとしてのファーストステップですね
そして③アイソメトリック収縮により、骨格の位置感覚を調整する能力も増やしていきます
①のように関節が動く運動をするとき、筋や脳は無意識で関節の位置や身体内の位置情報の変化のやり取りをしています。運動をするときには同時に、このような感覚も養っているのですね
筋肉へのスイッチが入り始め、関節可動域が改善され、関節位置の感覚などが増えてきたら、次のステップとしてアイソメトリック収縮を伴う動きを追加していきます
最後に、筋線維への負荷が最も高いといわれる②エキセントリック収縮へと進んでいきます
関節や骨の安全を保つためには、②と③はとても重要な筋の働きであり、動作を安定させていくのにも重要な働きとなります
例えば神経症状があり、それが神経根症状(神経が出てくる根本:背骨の間が狭くなり通り道が悪いことで起きる症状)で疑われる場合などは、筋線維を縮ませる動きだけでなく、②や③のような動きを習得し、鍛えていくと症状が改善されていくことが多いです
また、リンパ浮腫のある方で特に下肢リンパ浮腫を抱える方は、浮腫が第一段階改善してくると関節周囲の痛みがでることもあります。これは、これまで浮腫の硬さにより関節がつぶれることが防がれていたのに浮腫が柔らかくなってきたことで関節(骨)の位置関係や関節周囲の筋肉等の動きが抗重力下に耐えられない状態になっていることも考えられます。そのような場合も、骨格を守るために筋肉を育てていく視点が大事ですね
運動において最も重要なことは「安全であること」です
安全を確保するために運動やトレーニングをするという意識づけはとても大切であり
少し大変だなぁと感じる場面も時折あるかもしれませんが、自分の身を守るためにすることの1つが
運動なのです
実際のセッションでは、
これら3つの収縮パターンを考慮して骨格の安全を保ち、リンパ循環を掛け合わせて構成しています
刺激のタイプやパターンは色々なものがある方が運動効果(スイッチオン!)は上がりやすいので
全ての収縮パターンが知らないうちに入っていますよ(^^)
それがヨガのアーサナであったり、エクササイズであったり
その方のご要望に合わせた
セッション空間にできるのがBLUE ORGANIC SPACEの特徴です
なので、セッション全体がヨガで一貫して組み立てられる方もいれば
ヨガは部分的で、関節可動域の改善のため、浮腫の流れを良くするため、骨格アライメントを整えるためのエクササイズで構成される方もいます
ヨガで得られる効果は、エクササイズとは異なります
ヨガを行うその時間と動き自体が心身を統合してケアすることができるのは、エクササイズにない効能です
ヨガかトレーニングなどのエクササイズか
と、どちらがいいのか?という二者択一ではなく
その時に心地よいものをトライしてみたら良いかと思います
BLUE ORGANIC SPACEでは、どのような構成でも
お身体の時期にあったものを提案してまいります
リンパ浮腫を抱えている方は、リンパ浮腫の状態とリンクした運動負荷や動きの調整も行えます
これを読んで
運動って、そんなことが考えられているの???
と感じていただけたら嬉しいです
運動は、楽しいですよ!
日々、自分の最高を更新していくために何か始めてみませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました