春は、芽吹く季節。

植物の芽が、上に上に生えていこうとするエネルギーが高まる季節。

東洋医学ではヒトの身体にも同じような働きがみられると考えています。
冬の間は蓄えたエネルギーを大切に使って、溜めておく。
春になったら内側に眠っていたエネルギーを伸び伸びと発散させていく。

エネルギーをめぐらせるのに欠かせないのが、「気」。
気が不足していると、体力がなかったり、疲れやすかったり、といった状態になりやすく、睡眠障害が出てしまうこともあります。そもそもめぐらせる源のエネルギー(主に血)が不足していても、それらの状態が出やすく、抑うつ症状がみられることもあります。

血の不足には、栄養状態の見直しが必要です。
例えば、起立性貧血やめまい、睡眠の質の低下や不眠、疲労感が強い、不安感が強いなどがみられたら「血」の不足を疑いましょう。


栄養状態を良くするためにはいくつかの方法がありますが、疲労感と不安感がかなり強く心身共に弱っているときには、植物性のもので補っていくことをオススメします。
季節の野菜や果物を摂ることを心がけ、パンよりはご飯、麺類もパスタよりはうどんや蕎麦など日本人の食事と言われるものに近づけると良いですね。油ものは極力避け、食物繊維も水溶性のもので消化に優しいものを選びましょう。また、お水の飲みすぎにも注意です。お水は飲めば飲むほどいいと言われがちですが、心身共に弱っているときは身体全体のめぐりが悪い状態なので、水を代謝する能力を低下しています。飲みたい時に飲める分で構わなく、お味噌汁などで乳酸菌と一緒に摂っていくことも重要です。

いわゆる「腸活」をするということが、心身の機能低下への食事療法の第一歩です。

胃腸の働きや水代謝をよくしてから、血液の源になるタンパク質を積極的に摂るようにしていく、という段階づくりが重要で、それらが弱まっているときにタンパク質を沢山摂るようにしてしまうと体内に停滞しやすく、それがまたむくみなどを生み、新たな不調の原因になることもあります。フィルター詰まりを起こしているような状態になるのです。

乳酸菌は腸内細菌のエサとなります。さらに食物繊維なども加わると腸の中のお掃除をしてくれるので、腸内に住む最近たちの居住環境が豊かになります。
私たちだって、美味しいごはんを沢山食べて、キレイな家で過ごしたいでしょう?
腸内細菌も同じことです。

血が補えていたら、「気」にも目を向けてみましょう。
気が何をしているかというと、全身のめぐりの総本山。気がめぐることによって、私たちの身体は生命を維持し、動くことができています。
血をめぐらせるのは気の力あってこそ。栄養状態が良くても気が不足していたら、全身状態は良くなりません。

例えば、疲れやすい、手足が冷える、むくみやすい、など。
それらは気が関係している可能性があります。血の不足による症状とも似ているものもありますが、冷えやむくみは気からの作用であると考えやすく、身体の内なる動きが停滞していることがつまり気が不足しているということであり、めぐりの低下によりそれらが起きているのです。気が弱くなっているときは、全身の内なる動きが停止していきます。血液やリンパの流れも悪くなるので、冷えやむくみが起きやすくなります。
お風呂に入って温めることで血液循環を促したり、マッサージなどでめぐりをサポートしてあげることもいいですね。

気を回復していくためにできることは、血不足への対処法に加えて運動もオススメです。
日光の下で歩く、山登りにいく(血不足が解消されていれば〇)などの有酸素運動がまずは効果的で、全身をバランスよく動かしていくことで元気になってきます。

ここで大事なのは、全身を動かすということ。
全身を動かすことで、くまなく配置されている”めぐりスイッチ”が作動しやすくなるからです。
めぐりスイッチとは、解剖学的に言えば神経のこと。皮膚、筋膜、関節、内臓、あらゆるところに神経スイッチは存在しています。だから全身をしっかりくまなく動かすということがいいのですね。動かすと言っても、好きなもので構いません。ヨガ、ピラティス、水泳、球技などなんでも構いませんので、「全身」動いているかな?と意識をして取り組んでみてください。

とくに春は、汗をかくくらいの運動をするとモリモリと上がってくるエネルギーの解消になり、気の停滞を防ぐことができます。春は「肝」の季節でもあり、肝は血の製造&貯蔵庫みたいなところですので、その勢力が強くなるということはそれらを頑張ってめぐらせると良いということですね。めぐらせないと肝で渋滞が起きてしまい、それが抑うつ症状や不安感などを引き起こすことにもなります。

やさしい運動から始めたい方は、ウォーキングやハイキングなどから取り組むといいですね。
しっかりと運動ができそうな方は、HIITなど高強度インターバルトレーニングなどもいいと思います。

私は趣味のボクシングで、有酸素運動と筋や神経のトレーニングを同時に行っています。
練習をしているといつも汗だくです!

たくさん動いて、たくさん食べて。
人それぞれのペースに合わせて、動く・食べるのバランスをとっていくと、自然と睡眠にも良い影響をもたらしますよ。

身体の内側の回路をまわすこと。
つまり、めぐりを整え、常にめぐる身体であること。

色々な誘惑の多い社会ですが、動き・食べ・寝るということを今一度見直してみると快適な春になる予感。

最後までお読みいただきありがとうございました。